「なあアイスランド。このそり、北に向かってないか?キューバは南だぞ」
「分かってる。こっちに早く迎えに行かなきゃいけない人がいるんだ」
「迎えに?北欧は全滅したって言ってなかったか?」
「あっ、そっか。ドイツ、ほらハンナちゃんのことよ。ノルウェーと結婚したあの子」
「ん?ああ、あいつか」
「ハンガリー、ハンナに電話して。何だか胸騒ぎがする―――」
「たっだいまー。ってどうした裏ノルー!ヘマやったんけ?随分ボロボロだなぁ!」
「やがまし」
「おかえりなさい裏ターさん!見つかりました?」
「いんや見っかんねーなあ。裏スヴェーリエ、おめぇはどうだ?」
「………俺も見っかんねがった」
「僕も。―――ところでその人は」
「うん、耳が違うし表の人みたいですね。裏ノル君、この人に何かあったんですか?」
「ん。こいつの心臓の上にアザがあんべ」
「どれどれ?ん、こりゃあれに似てんなあ!あれ!」
「……あれだない」
「これが僕らの探してた印……?胸かお尻っていうから、場所は合ってるけど。裏アイス君はどう思う?裏アイス君?」
「み、見たくない」
「ははは!裏アイスはうぶだな〜!」
「うるさい!裏ダンのすけべ!」
「………多分、このアザは俺らの探してるのとは別だべな」
「ああっ、もう時間来ちゃいますよ……!まだ誰からも連絡こないし、裏世界も僕たちもどうなっちゃうんでしょう?!」
「こんなに探してもいないとかおかしいよ。ていうか本当にいるの?印付いてる人――――」
「ん、うう……」
「うわっ!裏ノーレ!目、覚ました!」
「……いたた……」
「おめ、からだだいじょうぶけ?」
「スヴェーリエ……みたいな人……?」
「?」
「あー。さっきは手荒な真似さして悪がったない」
「…………!」
「おひゃあああ!裏ノル君、すっごく睨まれてますよ!」
「絶対別人だろうけど皆へんたいだ……!どうしよう泣きそう」
「今度は落ち込んだ。忙しい、この人」
「ほ、本物の皆ならでろでろに酔っ払ったりサウナ入ったりするとき以外絶対全部脱いだりしないのに……!ああ悪夢だ誰か助けて北欧にそういうへんたいはいないから私免疫無い………!!」
「なあ大親友、変態ってどういうことだべか?俺達猫科だしよぉ、服着てた方が可笑しくね?」
「ほだな」
「ああもう、全員きょとん顔やめ!!あんたらほとんど人間みたいな体して何猫科気取ってんの?私と体比べてからそういうこと言いなさいよ!」
「…………………」
「ちょっアイスとフィンみたいな子以外何真剣に見てんだこういうときはスルーしとけばかあああ」
「へへっ元気ええなあおめぇ!」
「ごめん何発か顔面殴っていいか。久々にいらっときた」
孤立無援とは、まさに。
「ハンナ!ハンナいる?!」
「玄関は開いていないようね」
「おい、ベランダが開いてるぞ!」
「誰もいない。不気味なほど静かだわ……。しかも家の中が荒れてるってまさか……」
「これは……ハンナの斧だな。ケイタイもある。電話に出る前にやられたか。やはりオーストリアや兄さん達を襲った奴らの仕業と考えて間違いなさそうだな」
「……っ、間に合わなかった………。何でいっつも僕との約束破るのさ、ハンナ………!」
「アイスランド………」
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