私の朝はちょっとだけ早い。いつもアラームの鳴る前に目が覚めてしまうから、鳴る時間まで朝ごはんの支度や新聞を読んで過ごす。
アラームの音を聴くと、また寝室に戻る。そして、アラームの音では絶対に起きないデンマークの為に私が声をかけてやる。名前を呼んだり、揺すったり、ちょっと叩いたりする。でもやっぱり起きてくれなくて、疲れた私はもう一度ベッドに潜り込むのだ。
「ハンナは甘えん坊さんだな?」
「起きてるじゃんデンマーク……」
私がいた方はもう冷たいけれど、デンマークの方はとっても暖かい。ぽかぽかする体にぴたりと寄り添っていると、何だか心まで暖かくていい気持ち。寝起きのデンマークに笑われながら、うとうと二度寝モードに入りかける。
「ハンナには夕べ無茶さしたからなあ、ゆっくり休め」
「朝ごはんは?」
「後でいがっぺ?腹の空き具合なんか寝てたら分かんねえって」
「デンマークも寝るの?もう……変なことしないでね」
「分かってる分かってる。いいから寝れ、なっ?」
「………ん」
デンマークの大きくてあったかい手のひらで、がしがしと頭を撫でられる。本格的に睡魔が降りてきていて、髪が!なんて怒れない。
その内デンマークがまた寝て、私も意識を手放してしまう。だらだらと時間が過ぎていくベッドでのこのときが、私の、デンマークと過ごす中でも大好きな瞬間だったりする。
なくしたくない、大好きな人のぬくもりに包まれて眠る幸せな朝の一時だ。
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