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花火散る夜
 

暴虐のてのひらに
駆けた一筋の亀裂

目を逸らした
風を切る肩越に
私を振り返った
あなたの瞳から

すぐ隣で
花火に照らされていた
その横顔が愛しかった

通り過ぎて行く
みんな
通り過ぎて行く
戻れない


出逢い、別れ
夢さえただの記憶
愛はただの思い出
薫るは八月の風
疼くこの胸の奥
照らされる頬は
僅か微熱を残す