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世渡り

夕日が当たる道
橙の壁が暖かい
家まで続く線路の中
信号抜けて寄り道する

口ずさんだのは
懐かしいライン
名前は覚えていなくても
胸を満たすには充分だった

今私が見つめているのは
薄汚れた自分とそのケース
なんでなんだ?

貴方に惹かれることで
この身は軽くなり
言葉は失われてく
幸福と虚無の間で独り
短い返事と色を待っている
曖昧な存在を
世辞と妄想の羅列で塗り固める

夕日に溶け入る自分を
夢に見ては溜め息を漏らした