ギンイロノ、
綺麗な銀行の入り口
夏を反射する硝子の壁
行き交う忙しい人や車
私を見下ろす大きな影
二人で手を繋いだ
間には何も無くて
優しい匂いと体温
安らぐ感触と笑顔
魔法が解けたのはいつだった?
安らかに眠りにつく間に
ドアの向こうではもう
すでに壊れかけていた
開けたのが私じゃなくて良かった
十四年後その少女は
暗闇へと沈んでいく
壊したものも
失ったものも
元に戻りはしないけど
必ず幸せになれるから
今はもう少しだけ
痛みに耐えていて
綺麗な銀行の入り口
待っていたのはきっと
私という鮮やかな未来
フラッシュバックを体感したときに突発的に書いたもの。