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アネモネ


プロローグ...





「もう終わりにしよう」



繋いだ手が、解かれる。



「どうして…?」



どうしてそんなこと言うの?




こんなにも近くにいるのに。


「名前にはもっとええやつがおるじゃろ」



勝手に決めないで



伸ばした手は貴方に届かない。



「そいつに幸せにしてもらいんしゃい」



そんなこと言わないで



十分幸せだったよ
貴方の傍に居られて


たくさん話して
たくさん笑って
たくさん泣いた


どれも私にとってかけがえない
大切な思い出だった


あなたと共に過ごせたから
あなたと一緒に居れたから


毎日がすごく楽しかった



これからもずっと二人で思い出を
作っていけるんだって信じてた



「…名前」



お願い
そんな辛そうな顔しないで



「雅治」



言いたいこと聞きたいことたくさんあるのに




「ありがとう、大好きだったよ」




この一言しか言えなくなる



「俺も好いとったよ、誰よりも」



別れたくなんかない
離れたくなんかない


貴方の温もりを
貴方の優しさを


忘れたくなんかない


だけどそれ以上に
迷惑かけたくないから


わがままは言わない





大好きだよ、ずっと





だから−




これでおしまい





「バイバイ」




愛しの人






初めての失恋は酷く苦い味がした。


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