「〜♪♪♪」
鼻歌を歌いながら、大広間までの道を歩く。スキップしたい程のテンションだったが、流石にそれは回りの生徒から変な目で見られるので我慢した。
しかし、今日は『何かいいことでもあったの?』とよく尋ねられる日だった。要は、スキップをしなくても私の機嫌がいいことは、回りにだだ漏れなのだ。
「やっぱり、綺麗な緑色♪」
大広間に到着すると、そこには美しい限りの緑色と銀色が広がっている。
スリザリンのシンボルカラーが大広間いっぱいに飾られており、今年の最優秀寮はスリザリンであることを物語っていた。
「リドル先生ー!」
「……やはり忘れていなかったか…」
大広間での校長先生の話と夕飯を終え、私は早速リドル先生の部屋へとやってきた。
「当たり前ですよ!!私が先生との約束を忘れる訳ないじゃないですか!!」
「忘れていてくれれば、どれ程嬉しかったか…」
「酷いですよ!あ…でも、先生がそんなに渋っているということは……」
はあ、とリドル先生がやれやれといった様子で大きな溜め息を吐く。
ぽいっと渡された紙を見れば、何とも言えない悔しそうな字で95、と書かれていた。
「お前、一体何処まで勉強したんだ?こんな問題は一年生には解けないだろう!」
「一年生のテストに一年生が解けない問題を出すなんて、酷いですよ!!」
「…ふん、……このテストの平均は21だ」
「と、言うことは……?」
先生と私がした約束。
それは寮点を50点あげ、闇の魔術に対する防衛術のテストで最高点を取ることだった。
「はぁ…お前が最高点だ。何と言うか…よくもまぁここまで勉強したな」
「…っっ、やったぁ!!!!!」
「約束通り寮点を50点…正確には51点あげて、スリザリンを優勝にも導いたしな。驚きを通り越して、呆れた」
バカにしたような口調で先生は言うが、顔は何処と無く悔しそうだ。無理だろうと考えていた予想が外れたからだろう。
しかし、先生の言った条件を満たしたことはもう事実なのである。
にこにこ、と隠しきれない笑いを携えながら、私は先生にゆっくり尋ねた。
「プレゼント、頂けますよね?」
「……仕方ない…」
「ありがとうございます!何を頂けますか?」
「そうだな…」
顎に手を当てて考える仕草すら、先生は美しい。先生に会いに行く暇も惜しんで勉強した甲斐があったと、染々考えていた。
「では、今晩泊まりに来い」
リドル先生が考えた末の発言に、私の「えぇえぇぇ?!?!」と発狂したのは言うまでもない。
私は勝負下着を準備する為と、ボディを完璧に磨く為に急いで部屋に飛び帰った。
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