0-1 不思議な夢を見た。 真っ暗で何もないところにオレは一人、佇んでいた。 怖くなって何もない暗闇に向かって叫んだ。 「獄寺君!山本―!誰かいないのー!?」 でも、音が響くばかりで返事は返ってこない。 怖くて、怖くて、今にも泣き出しそうになった。 そのとき、急に突風が吹いて目が眩むような光りが現れた。それはとても心地よくて温かい光。 『ツナ、こっちだよ!!』 光の中から声が聞こえた。 誰の声かなんて気にならなかった。この暗闇から抜け出せるのなら。 光に手を伸ばすと、勢いよく引っぱられ暗闇から抜け出せた。 すると今度は光に飲み込まれた。 飲み込まれる直前、オレは手を引いてくれた人にお礼を言った。 「ありがとう!」 その人はオレと同じ歳くらいの女の子だった。彼女は驚いた顔をしてから照れたように笑った。 その笑顔を見ると何故かホッとした。 「珍しいわね、ツナが早起きなんて。」 「雨でも降るんじゃねーか?」 「降らないよ!」 たっく、朝から人のことからかって!オレがいつ起きようと勝手だろ。 でも早く起きるのも悪くないな。ゆっくり朝ごはん食べれるし。 「で、何で早く起きたんだ?京子と約束でもあるのか?」 「何で京子ちゃんが出て来るんだよ!」 「ツナは京子のこととなると死ぬ気にもなれるからな。」 それを言われると何も言えない・・・。 「夢を見たんだよ。」 「怖い夢か?」 「だから、人をからか「ランボさんも見た!!」 「は?」 「あんね、なんかね、真っ暗なとこにいてね、ピカーンって光って変なやつがいてね。」 「だから布団が干してあるのか。」 リボーンの言うとおり、今日は物干し竿に布団が干してあった。 大きな染み付きの。 「ラ、ランボさんが漏らしたんじゃないもんね・・・!!」 「おまえ以外に誰がいるんだよ!」 ←→ [戻る] |