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始まった襲撃1






この世界に来てからの日々は目まぐるしかった。まさに夢のように一週間が過ぎた。
ようやく慣れてきて非日常的な出来事は日常化しつつあった。


「友梨ちゃんおはよう!」

『おはよう京子ちゃん!』


ツナが絶賛片想い中の笹川京子ちゃんとはすぐに打ち解けた。
明るくてよく笑う京子ちゃんは本当に天使という言葉がよく似合う。


「聞いた?最近、風紀委員の人が立て続けに襲われてるんだって。」

『風紀委員の人が?』


風紀委員といえば雲雀さん。
あの応接室で会って以来顔も見てないけどあの人は一体いつも何処にいるんだろうか。まあ怖いし会いたくは無いからいいんだけど。


「友梨ちゃんも気をつけてね。」

『大丈夫だよ。うちの学校強い人いっぱいいるし。京子ちゃんのお兄ちゃんだっているでしょ。』

「そうだけど…。」


お兄ちゃんのことを褒められて少し照れた京子ちゃん。かわいいなぁ。ふわふわと笑う京子ちゃんに癒されながら学校への道を歩いた。
この時あたしはこの先に起こる事件の前兆をすっかり見落としてしまった。

校門前は警備が万全。数人の風紀委員が立って周りに目を光らせていた。
ここに来て何か違和感を覚える。どこかでこの光景を見た事がある気がする。

違和感の正体がわからないまま風紀委員たちの横を通り校門を抜けた。
下駄箱に来たところで担任が血相を変えてやってきた。どうやら京子ちゃんに用事があるらしい。


「笹川、お兄さんが怪我をして病院に搬送されたそうだ。」

『え!?』

「お兄ちゃんが!?」

「なんでも銭湯の煙突に登ったとか…。」


普通じゃ考えられない理由。この理由には聞き憶えがある。
さっきの違和感はみるみる解消されていった。この一連の風紀委員襲撃事件の犯人は、となり町ボーイズだ。
気付けなかったことが悔しい。自分が物語のどの時間軸にいるのかしっかり把握しておけばよかった。

担任の話を一通り聞き終えた京子ちゃんは病院に行くと言って鞄を置き去りにその場から走りだした。
先生が走り去る京子ちゃんの背中に制止の声を掛けるが聞える筈もない。
彼女の鞄を持ってあたしも追いかけることにした。










途中で京子ちゃんになんとか追いつき二人で病院に着いた。
病院はやはり並中生ばかりだった。京子ちゃんのお兄ちゃんの病室に着けばツナが驚いた顔で出迎えた。
お兄さんの無事を確認した京子ちゃんは泣き出してしまった。
ツナと目が合い、二人で空気を読んで立ち去る事にした。


「なんで京子ちゃんのお兄さんが狙われてんの!?一体どーなってんの!?」

「パニクってんのはお前らだけじゃねーぞ。」

『周り、並中生ばっかりだ…。』


剣道部の持田センパイも襲われた内の一人で近くにいた生徒が教えてくれた。
並中生が無差別に襲われている。そうその生徒は言ったけど、これが無差別じゃない。
次は我が身だと叫ぶツナたちを置いてあたしはその場を後にした。

その姿をリボーンがただ静かに見つめていた。












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あきゅろす。
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