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「友梨、買い物に行って来い。」

『え?』


朝ごはんを食べ終わるとリボーンが言った。
ちなみにあたしの作った味噌汁は結構好評だった。人においしいって言われると嬉しい。


「いつまでもママンの服を借りるわけにはいかねーだろ?買いに行ってこい。」

『確かに・・・。でもお金ないよ。』

「オレが出してやるぞ。」


ワォ
思わず例の風紀委員長の口癖が出てしまった。リボーンが誰かにお金貸すとか初めて聞いたよ。


「失礼な奴だな。」

『ゴメンナサイ。土下座でも何でもしますんでその黒光りする危険なものをおしまいください。』


リボーンが読心術使えること忘れてた。リボーンは銃を懐にしまうと話しを続けた。


「今日はツナも日曜日で休みだから連れてけ。荷物持ちくらいにはなるだろ。」

「くらいってなんだよ!!」

「お前それぐらいしか役にたたねーだろ。」


はっきりとリボーンに言われて少し落ち込むツナ。
なんかものすごく可哀想。慰めの言葉を掛けると「慣れてるから・・・。」と弱々しく笑った。


かくして、買い物をするために並盛町に繰り出すこととなった。






・・・・・・・







『わぁー・・・。』


やって来たのは並盛商店街。あたしたちは並盛商店街と書かれた大きなゲートの下にいた。
見たことのある風景が広がるそこはたくさんの人々で賑わっていた。
歓喜の声をあげるとツナが苦笑いで言った。


「そんなに驚く?」

『だって、漫画で見ていたものが目の前にあるんだよ?感動するよ。』


商店街だけあって色んなお店が軒を連ねていた。ある程度の生活必需品はここで揃いそうだ。

ツナの案内でお店を回り必要最低限のものを買った。あんまり買うとあとが怖いからだ。
リボーンはお金を出すと言ったが、後で聞くと出世払いで倍にして返せと言う。
無茶な話しだと思うけど、あの小粋なヒットマンさんはやると言ったら本当にやる人だからなぁ。

そんなわけで荷物が多くならないうちに帰ろうかとツナに言おうとしたとき、突然大きな叫び声がした。


「ツ、ツツツナさんがっ!!女の子と、デートしてます・・・!」


ツナはその叫びを聞いた瞬間、額に汗を浮かべ「げっ・・・ハル。」と声を漏らした。
ツナLOVEな三浦ハルちゃんのご登場だ。

ハルちゃんはずかずかとあたしたちに (いや、正確に言うとあたしに) 近寄りムスッとした顔で言った。


「あなたはツナさんとどういうご関係ですか!?」

『どういうって・・・?』

「ハル!何わけのわかんないこと聞いてるんだよ!友梨だって困ってるだろ!?」

「はひっ!ツナさんが女の子を呼び捨てにするなんて・・・!ますます怪しいです!」

「お前の事だって呼び捨てにしてるだろ!?」


ちなみに、ツナがあたしを呼び捨てにしているのはあたしが頼んだからだ。

最初、ツナは「友梨ちゃん」と呼んでいた。
女の子と話すことに慣れてないらしいツナはそれが精一杯だったそうだ。

でも、あたしは「ツナ」って呼んでいるのに、ツナはあたしのことをちゃん付けで呼ぶのに違和感を覚えてそれを指摘してみた。
恥ずかしいやら、まだ会って間もないだとか色々言っていたけれど、最終的にリボーンに冷やかされながらも呼び捨てで呼んでくれるようなった。

さてはて、ツナとハルちゃんの言い争いはまだ続いている。
若干ツナがハルちゃんの勢いに押され気味。

そこへまたしてもツナを困らせる人物が現れた。


「あっ、十代目!!って・・・オイッ!アホ女!!十代目に何してやがんだ!!」


現れたのはハルちゃんとは別の意味でツナLOVEな自称右腕、獄寺隼人。
ツナを見た瞬間に目を輝かせ、隣にいる怒ったハルちゃんを見て目がギラリと光る。


「獄寺さんは黙っていてください!これはハルとツナさんの問題です!!」

「ああ゙!?十代目の問題はオレの問題でもあるんだよ!!」

「二人とも落ち着いてー!!」


ツナと言い合いをしていたハルちゃんは途中参戦の獄寺と言い合いに。
そんな二人を見て、慌て半分呆れ半分のツナ。

ていうか、あたしのことは無視なのか!

そんな不毛なやり取りはいよいよ収拾がつかなくなって、さらにはギャラリーまで出来てしまった。
「もっとやれー!」なんて囃し立てる声まで上がってきていた。

ツナの顔がだんだんと青ざめていく。
これは本格的にヤバイぞ、と思ってあたしもどうにかこの状況を打破しようと考えてみる。

だけど、あたしが二人に声を掛けても見ず知らずのあたしじゃどうにもならないし、下手に知っていることを口走れば変な奴だと怪しまれる。
絶対絶命のピンチとはこのことを言うのか!?(←絶対に違う)


そんなとき現れるのはいつも決まっている。




「助っ人とーじょーっ!」




日本男児らしい綺麗な短い黒髪。口元から覗く白い健康的な歯。
爽やかで見惚れるくらいカッコいい笑顔。

というか見惚れない人なんているだろうか。

彼、山本武に。


「山本ォ―!!」


ツナはあまりの感動に涙目だ。
救世主とはまさに彼のためにある言葉だと思う。


「商店街で銀髪の中学生が女子と喧嘩してるって聞いてさ。まさかと思って来てみれば案の定、獄寺だったのな。」

「山本が来てくれて助かったー!!二人を止めて!!」

「ああ、任せとけっ!」


そう言うと山本は二人のもとに向かうと間に入って話をし始めた。
獄寺の怒りの矛先はハルちゃんから山本に移る。けれども山本の爽やかな笑みに毒気を抜かれたのかそのうち、舌打ちをして黙り込んだ。

ハルちゃんも周りに人がいることに気づき恥ずかしさからなのか黙り込んで俯いた。












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あきゅろす。
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