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冬の贈り物
 

「はい、これ」
 会うなり渡されたのは焦茶色の包装紙に赤ピンクの細いリボンがかかった薄い箱。
「え?僕に…ですか?」
「そうじゃなきゃ渡さないよ。開けて開けて」
「あ、はい」
 リボンを解いて包みを開けると、白い箱が出てくる。
 蓋を開ける。
「あ…ありがとうございます」
 ほんのり赤味のある黒い手袋が箱に収まっていた。
 取り出して、そっと撫でるといかにもあたたかそうな――もしかして:カシミヤ。
「えっ、もらっていいんですか?ていうか何で?」
 一気に挙動不審になりながら尋ねると、彼はさも可笑しそうに笑って
「寒くなってきたのに手袋してないからさ。気になって」
 そう言った。その、たまらなく格好良い笑顔と台詞にほわあ…と変な声を出してしまってから、慌てて改めて頭を下げた。
「ありがとうございます!」
「サイズどうかな。多分大丈夫だと思うけど」
 彼が言うので、僕は新品の手袋に手を通す。
「どう?」
「ぴったりですー、えへへ、あったかいです」
「良かった」






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