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さよならのあいだ
 

 彼は向かい合って俺の手をとった。
 うつむいた頬のラインや、水気の少ない唇。乾燥してあたたかい指先。
 もうほとんど見えていないのだと言う、灰色がかった目。
 それらのものを俺は眺める。
 俺と彼はただ無言で、しばらくそうしていた。
 彼はまるで、祈るようにじっとして


俺の手を、握っている。



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