赤毛のヒヨコちゃん
昨日の吹雪が嘘のようにすっきり晴れた青空の下。青白く輝く雪に赤毛がよく映えている。
真っ黒いダウンジャケットにはドクロや龍がついていたが、頬と鼻を真っ赤にした顔は未だにどことなく幼い色を残していた。背だけがひょろりと長い。
――あの小さな子供がこんなに大きくなるんだもんなあ…
「ご近所の小さな子供」の成長が感慨深く、老眼鏡をかけ直して雪かきを終えた彼に
「お疲れさん」
声をかけた。
顎をちょっと引いて、目をそらし、まるでふてくされているように頷く。
「助かったよ」
「…べつに。オフクロに行けって言われただけだし」
「うんうん、ありがとう」
今では照れているのだとわかる、いよいよふてくされた態度で、「近所の子供」――今は青年となった彼は、雪山にざくりとスコップを突き立てた。
「コーヒー淹れたから、上がって飲んできなよ」
靴の雪を落とし、
「……牛乳ある?」
ブラックはまだ飲めないらしい彼が言う。
「はいはい、あるよ」
小さく、おじゃまします、と言ってついてくる彼は、見かけこそ怖いのかもしれないけれど、ぼくは、短いつんつんした髪がヒヨコのようで可愛いと思っている。
20111224
ツイッターのTLで設定見かけて書いてみた。
[*][#]
[戻る]
無料HPエムペ!