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二人の鷹のはなし
 

「わたしはシャーヒーンの子、ラーイド。わたしの妻になって欲しい」
「はあ、おれは三鷹陽光ですが妻にはなれないんでお断りします」
 奥から出てきた婆ちゃんが、やりとりを聞いていないだろう呑気な調子で
「あら、友達かい。上がって貰いなさいよ」
 そう言った。店主には逆らえない。
「初対面だし友達じゃないんだけどなあ……どうぞ」
「ありがとうございます、マダム」
 輝かんばかりの王様スマイルに、おれはうっかり目を細めた。
 ああ、こんなに眩しい生き物と関わった事なんて三十年生きてて初めてだ。



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