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指の隙から砂の零れる
「俺は認められたいのだ」
彼はぶるぶると震えている手をきつく組み合わせ、食いしばった歯の隙間からそう呻いた。
「認められたい。俺の世界をこの世に広げたい」
しかし祈るようなその姿は、彼の内に渦巻く世界がこぼれないように、きつく閉じ込めているようにも見えた。
「だが、俺は、俺自身は、認められたくはない。認められたい。認められたくない。俺は、俺は」
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