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宮部と長治
 

「お前ら知らないだろーけど、こいつ俺らと同期なんだぜ。なあ!」
 えっ、とその場の若手のほとんどが驚きを声に出した。
「やめてく、だ、さいよ」
「酒の席なんだしさ、宮部、敬語いいって」
「いや、でも、俺はもう、裏方なんで」
「もー、みーやーべー!」
 先輩に肩を組まれて、彼は困ったように笑う。
「知らないだろー、『ロジカル』の宮部つったら、当時の兄さん方がみんな恐れた才能の持ち主だったんだぜぇ」
「いやいやいや、そんな事、ないで、すってば」
「あの頃のロジカルの演ってたコントとか漫才とか、見といた方がいいぜ、お前らー」
「もう、や…やめろって、長治!俺は芸人辞めたんだからさ!仕事やりづらくなるだろ!」
「辞めたっても事故みたいなもんだろー?」
「…っ、」
「おれらさあ、本当に、本当に、ロジカルのネタ好きだったんだよ、言わなかったけど、当時」
 


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あきゅろす。
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