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大谷吉継、島左近
 

「吉継はまるで死ぬときみたいな感じで寝るね」
 島がそう笑顔で言った。三成と比べれば時間を共有する事は少ないが、島も吉継のあの一種独特な睡眠体勢を何度か見ていたのだった。
「あれじゃあ本当に死んでいるときに、すぐにわからない」
「眠りは死に一番近いと言いますから。…腹の上に適度な重みが無いと寝付けないのですよ」
「三成は、」
「嫌がりますよ」
「だろうね」
 島が明るい瞳を細めて笑う。
「…私が死んだら寝かせておいて、三成には触れさせなければいいのです」
 いつになく笑顔で、吉継が言う。
「眠っているのだから、起こすなと、言えばいいのです」
 島はしばらくの間微笑んだままで黙り込み、
「それは良案」
 そうしようね、と吉継に言った。




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