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石田三成、大谷吉継
 

「よしつぐ!」
 眠っていた身体がびくりと跳ねて、吉継は目を開けたすぐそこにある三成の強張った顔に僅かに眉根を寄せた。
「どうした…、三成…」
 仰向けに寝そべり、腹の上で祈るように手を組んで眠るのは吉継の癖だった。熱い、砂のように乾いた三成の手が、その手をぎゅっと握っている。
「……、…吉継」
 咎める目つきで睨む三成は、その眠り方をひどく嫌っているのだった。
 まるで死んでいるように見えるのだと。
「…私は生きているよ、三成」
 吉継は組んでいたせいで硬く強張った手をひらりと舞わせて、熱い手に重ねた。
 三成がまるで泣き出しそうな、それでいて怒っている顔をする。




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あきゅろす。
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