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(別ルート)
 

「また先鋒ですか」
 歯に衣着せぬ物言いに竹千代は思わず笑ってしまった。空中に開かれていた今川からの出陣要請をくしゃりと握り潰してしまうと、本多忠勝は
「笑ってる場合じゃないでしょ」
 呆れた、と肩を落とした。その黒いブレザーの襟には金色の徽章がびっしりと並んでいる。
「ふふ…ごめん。まあ、これがあるから徳川軍はどこよりも命知らずで、どこよりも強いのよ、忠勝」
「知ってますけどね。今川はウチらをいくら使っても減らない捨て駒だと思ってますよ」
「知ってるわ。…でもね、今川はもう長くないと思うから」
「どういう事です?」
「上洛するそうよ、近々」
「……尾張の織田が黙って通す筈がない」
「そういうこと」
 やわらかくうねる浅茶色の髪を、竹千代はくるりと指に絡め、
「先鋒は徳川――」
 目を細めて微笑する。
「売られた喧嘩は買う織田殿と、この徳川の軍が一緒になったなら、」



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あきゅろす。
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