SS The health diagnosesA ――がちゃっ 1番診察室のドアを開くと、そこには赤茶色の短髪で、白衣のしたにパンツスーツを履いている、少し風変わりな看護士が出迎えてくれた。 「こんにちは。本日は、定期健診ですか?」 シャーネはこくりと頷いた。 「それでは、こちらにどうぞ。―――先生、健診の方です」 奥に向かって呼び掛けると、器材の陰から白衣を纏った男性が現れた。 青年とも少年とも見て取れる顔立ちで―――まぁ所謂童顔というやつだ。 「こんにちは。此処での定期健診は初めてか?」 いきなり馴々しく話し掛けられてシャーネは戸惑ったが、取り敢えず頷いて肯定した。 「そうか。…あ、俺は内科医のフィーロ・プロシェンツォだ。あんたは?」 その問いに、保険証を見せる。 「シャーネ・ラフォレットさん、ね。…体のなかで何処か悪いところとかあるか?」 シャーネはふるふると首を横に振った。 「そうか。―――よし、じゃあ以上で内科おわり」 ―――は? 「エニス、新しいカルテ持ってきてくれ」 「先生…きちんと診なくていいのですか?」 エニスと呼ばれた看護士がシャーネの代わりに尋ねる。 「いいんだよ。なんか見つかったって、俺、どうせ治せないしな」 ―――え? 「それも、そうですね。セラードも医療の知識は持っていませんし…」 なにやら、よく分からないことを話し始めた2人に置いてきぼりをくらって呆然とするシャーネ。 その間にも、フィーロはカルテを書き終えていた。 「はいよ。それ、これから回るとこで出せよ」 「次は、2番診察室です」 2人ににこやかに見送られ、診察室を後にしたはいいが… ――健診の意味って…? ちょっと分からなくなったシャーネだった。 to be continue... [*back][next#] |