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novel
Let's KISS!!(クレシャ)



「なぁ、シャーネ。キスしてもいいか?」

「?」


シャーネは可愛らしく首を傾げた。

此処は、シャーネの自室。
ジャグジーたちは出払っているようで、階下は静かだ。


「…え、“キス”を知らない?そっか、そうだよな。なんだかんだで、まだしたことなかったもんな」

ふむ、と考える。

そして、にやりと笑った。

「じゃあ、せっかくだから教えてやるよ」

クレアは腰掛けていた窓枠から下りると、ベッドに座っているシャーネのもとへと足を運んだ。
そして、シャーネの正面にかがんだ。

「じゃあ、ちょっと目をつぶってみてくれ」

シャーネはこくりと頷くと、ゆっくりと目を閉じる。
クレアはそれを確認してから、シャーネの柔らかい頬に両手を添え、淡く色付く唇に自身の唇を近付けた。


ちゅ


軽い音をたてて離れる。

その音に、シャーネの頬がほんのりと染まった。

「どうだった?」

(ちょっと、恥ずかしい…)

「ははっ、そうかそうか。でも、悪くはないだろう?」

それには、こくんと頷く。

その様子を見ると、クレアがにやりと笑った。

「Yes、ね。じゃ、もう1回」

そう言うや否や、再び唇を近付けてくる。
さっきと同じだと思い、シャーネは慌てて目を閉じた。

…しかし、今度はなかなか離れない。


ちゅ、ちう


何度も角度を変えては落とされるキスに、翻弄されているうちに、上体はシーツの上に倒され、その上にクレアが覆いかぶさっていた。

(…ふ…っ、)

シャーネは、知らず熱い吐息を洩らす。
脳が痺れて、背筋も痺れて。

この、感覚は。


ちゅっ


軽く吸い上げて、ようやく唇が離れる。
その頃には、シャーネの顔は真っ赤に染まり、酸欠で息が上がっていた。

(…な、なにするの!?)

「なにって…キスだ。」

(…死んじゃう…)

「大丈夫。そんな死因聞いたことないからな」

そう言って、クレアはからからと笑う。
シャーネはむう、と膨れる。

「はは、怒るなって。でもさ」

そこで一旦言葉を切ると、クレアはシャーネを真っ直ぐに見つめた。

「気持ち良かった、だろ?」

その言葉に、シャーネは再び真っ赤になった。

そうか、あの感覚は…

「どうなんだ?」

シャーネはクレアから目を逸らすと、恥ずかしげに、小さく頷いた。
それを見とめたクレアは嬉しそうに目を細める。

「それはよかった。」

そして、シャーネの身体を起こす。

「本当はもっとしたいんだけど…また、今度な」

クレアが言い終わると同時に、階下がとたんに騒がしくなった。
ジャグジーたちが帰ってきたようだ。

「それじゃ、今日はもう帰ることにする」

そう言って、窓枠に手を掛け、跳び乗った。
シャーネは立ち上がって窓に歩み寄った。

すると、

いきなり手を引かれ、


ちゅ


頬に柔らかいものが触れた。

「!!」

クレアは唇を舐め、にやりと笑い、

「じゃあな!!」

そのまま地面に向かって飛び降りた。


(ふ、不意打ち…!!)

顔を真っ赤にし、頬に手をあてたまま、シャーネはしばらくその場から動けなかったとか。



end.

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あきゅろす。
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