短編小説 番外:後ろからギュッ[2周年] ※微 【Attention!!】 2周年記念!ということで日頃の感謝の印といってはなんですが「キュンとくる10のお題」に沿って記念小説を書かせて頂きました。 少しでも皆様に楽しんで頂ければ光栄です。 -------------- 07 後ろからギュッ(勇×忍) 「忍さん…」 愛しい人の名前を呼ぶその声はただひたすらに甘い。 嬉し恥ずかしお付き合いしたてのラブラブカップルである彼らだ。いささか糖度高過ぎるのも大目に見ていただきたい。 「っ!」 「ふ…っ、声だけで感じた?」 ついでにいえば玄関先で盛ってしまうのも彼らにとっては自然の流れというもの。 一緒に帰宅したそのまま、お互い靴も履いたまま。 加えて言えば忍はいつもの汚れたつなぎを着たままだったし、その後ろに立つ勇はピッチリと淡い色のスーツを着込んだままだ。 「ぁ…っ!ダメ、だっ!」 帰ってきて10分と経っていないのに、という極真っ当なことを考えた忍もそれは一瞬のことで。 「…本当に?」 なんて、勇のその欲情した目で後ろから覗き込むようにされれば…もう、いちころ。 「…っ!あ、ダメじゃな…ひぃっ!待っ……ぁああ゛あ゛―――っ!ぁっ、ぁっ」 返事は分かってるとばかりに、それを言い終わる前に後ろからキツく抱き締められれば堪ったもんじゃなかった。 「うそ。…イッちゃった?」 「っぅ!…ぁ、あ、ぁ、み、見るな!」 ただ抱き締めただけだというのに…もちろん熱を持った下肢を押しつけたとはいえ…ただそれだけでビクンビクンとその大きな体を震わせ、達してしまったらしい忍に、さすがの勇も驚きを隠せないようだ。 少しエッチな戯れを楽しむだけのつもりだったのに、改めて恋人の敏感すぎる体を再確認してしまった。 「あっ…ク、ソ!止まんな…っぁ、ぁ」 驚きの余り緩んだ抱擁に忍は狭い玄関にズルズルと崩れ落ちてしまうが、その間も射精が止まらないらしく、その顔には恍惚の他に戸惑いの表情がありありと浮かんでいる。 勇と体を繋げてからの忍の体は持ち主が自覚している以上に快感に貪欲らしい。 我慢できずに下着の中で達してしまうことなんて日常茶飯事で、下着が何枚あっても足りないほどだ。 そんな自分を恥ずかしく思う忍だったが、彼にとっては取るに足らない問題らしい。 「ああ。忍さん、俺にイってるときの顔をもっとよく見せて」 そう、恋人の勇にとっては。 「も、イッて、ねえ…っ」 「残念。……じゃあ、もう1回イッてみようか」 「………え?や、や……めっ!ひぐぅううっ!」 笑顔で迫ってくる恋人に見とれてしまえば、もう逃げ道はない。 存分にイキ顔を堪能された忍は、自分の敏感過ぎる体以上に絶倫過ぎる恋人にこっそり溜め息をつくのだった。 fin --------------- お題配布元:配布元 「キュンとくる10のお題」 2010.04.08 [*前へ][次へ#] [戻る] |