平凡と俺様
変態インテリ眼鏡野郎と
ちょっと、兄ちゃんてば恥ずかしいんですけど!全部聞こえてますわよ!
なんて少し照れくさく思いながら生徒会室のスライド式のドアを開けた瞬間・・・
「ひゃぁあああ!」
「ぶふっ!」
何やら悲鳴を上げる壁にぶち当たりました。・・・ってそんな馬鹿な!
「ど、どうしよう!双龍くんが!双龍くんが僕の胸に・・・っ!ふぁあああ!こ、これは抱き締め返してもいいのだろうか!?・・・ああっ!そうりゅ・・・ぅふご!?」
「いいわけないでしょうが!しかも胸じゃなくてか・た!肩ね!そこ重要だから!俺そんなに小さくないし!ってか英秀がなんでここに?」
そんな馬鹿なことがあってたまりますか!ってんだ。
もちろん、悲鳴を上げる壁の正体は人間・・・っていうかクラスメイトの加藤英秀。
坊ちゃん刈りで瓶底の眼鏡がトレードマークの”頭でっかち眼鏡野郎“は何の心境の変化か、昨日までのお前は何だったのかと問いたいくらいのイケメンっぷりで、すっかり“変態インテリ眼鏡野郎”へと変貌を遂げていたのだ。
そりゃ俺も今朝この英秀の変わり様を見た時には驚いたのなんのって!
あの瓶底眼鏡の奥にこんなクールな切れ長の目を隠していたとは・・・っ!クソぅ!!詐欺だ!詐欺!瓶底眼鏡の下は(3_3)でしょうが!
全く、少しは俺を見習って欲しいもんだよね。眼鏡掛けようが掛けまいが個性の特出しない俺の顔を・・・!
って言ってて自分で悲しくなってきたんですけど!?
「―――――むぅ」
「な、何だろうか!?双龍くんにそのような顔で見上げられると、その・・・僕は・・・・・・ああ!なんて僕は破廉恥なんだ!そんな、双龍くんに、その!ちゅ・・・ぅふご!?」
いや、でも変態よりはマシかなとか思ったりなんかして。・・・はぁ。
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