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平凡と俺様
A
 涙でキラキラ光った円らな目で俺を見上げてくる弟達に、早くも俺はホームシックだ。

ていうかまだ学校にさえも行ってないけどさ。

 しかし今俺は鬼、鬼なのだ。

俺を引き止めてくれる弟達は本当、目の中に入れても痛くないほど可愛い。

だけど可愛い子には旅をさせろって言うだろ?って意味は違うけどな・・・。

今日を機にお前達は兄ちゃんから卒業するんだ!

俺は全く卒業できる気がしないけどな!

「みー、しほ、しゅう」

 いつになく真剣な面持ちで3人を呼ぶ俺に、三つ子たちもじーっと俺の目を見つめ返してくる。

「兄ちゃんはこの鈴木家のために行かなくちゃ行けないんだ。お前らは偉い子だからな、ちゃんと分かってるだろう?それに兄ちゃんはいなくなるわけじゃない、ただちょっといってきま〜すって学校に行ってくるだけだ。長い休みには家に帰ってくるし、毎日電話するから、な!家族間は通話料24時間無料だ、安心して長電話が出来る」

分かったか?と1人1人と目を合わせて諭す俺に弟達も分かってくれたのか、少し赤い目で笑顔を浮かべ、こくんと首を縦に振ってくれた。

・・・ああ、可愛い!やっぱりこんな可愛い3人を残して寮に入るなんて、俺心配で夜も眠れない!

 ぎゅううううっと3人まとめて抱きしめてやれば、鼻の奥がつんとなるのが分かる。

でも、俺は兄ちゃんだから泣き顔なんて見せたら・・・。

「うごぁっ!?」

「オラ、双龍(そうりゅう)。さっさとしねーと置いてくぞ。道が分かんねぇから一緒に行ってくれって行ったのはお前だろうが」

「に、兄ちゃん!!!」

 そんな俺と三つ子と涙のお別れをぶち壊してくれたのは、そう例の超難関試験をサラッと合格してしまった嫌味な兄ちゃんだ。

フン、今日もよく眼鏡がお似合いですね!

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あきゅろす。
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