平凡と俺様
四ノ宮先生の噂と心配性の英秀
「さっきは僕なんかのためにありがとうっ！痺れるようなお説教っぷり！あの四ノ宮先生相手に・・・やはり双龍くんは僕が見込んだだけある！素敵だっ！」
「い、いやぁ・・・でも、俺の勘違いだったみたいだし」
ぞろぞろと人の波に流されるまま寮へ向かう途中、またエースのキラキラお目目攻撃に困ってしまう。
最初が肝心だし、ちゃんと言っておいた方が良いのか・・・でも、正面切って「好きだ」と言われたわけじゃないし。
さっきの先生みたいにただの勘違いかもしれないしなぁ・・・。
「・・・ゅうくん？双龍くん！聞いてる？」
「う、わああっ！」
そんなことを考えながら歩いていたせいか、すっかり話が右から左だった。
肩を揺すられて顔を上げれば目の前にはエースのドアップ。
ちょ、近い！近いって！！！！
「な、何！？」
「だから！四ノ宮先生には気をつけた方がいいって・・・聞いてなかったのか・・・ああ双龍くんは僕の話なんて聞きたくないんだね」
思わず反対側にいる太一の方へ体を引くと、エースが目に見えて落ち込んでしまった。なんでそう卑屈になるかな！？
「ご、ごめん。そんなわけないって！・・・でも四ノ宮先生に気をつけた方がいいってどういうこと？」
ご機嫌取りになるか分からないけど、エースのさらっさらの坊ちゃんへヤーを撫でてあげて、先を促すことにする。
「そ、そう、それだよ！双龍くんっ！さっき先生にこんな風に撫でられてたじゃないか！き、危険だ！僕はもの凄く心配だよ！」
ってどういう意味でしょうか・・・？
あ！また俺の手握りしめてるし！
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