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平凡と俺様
D
「先生!エース・・・いえ、加藤君のことをそういう風に言うのはどうかと思います。確かにHR中に大声を上げたことは俺もダメだと思うけど、でも!だからといってそんな馬鹿にしたような態度はちょっとおかしいんじゃないですか?その・・・学年3位だってもの凄く努力をしないと取れないものだと思うし。努力してる人にさっきの態度は失礼です。撤回して下さい!」

 俺に向けられたことじゃないけど、そこまで言われて黙ってられるかぁ!

バァン!と自分の机を叩いてそう声を荒げれば、先生は一瞬驚いたような顔をした後・・・え!?泣きそうな顔してる!?

「申し訳ありません、鈴木君。お気を悪くしてしまったようで・・・そんなつもりで言ったのでは・・・しかし、そう勘違いされても仕方のない態度を私は・・・」

そんな、俺泣かすつもりなんてなかったのに・・・あああああ!!しかも俺、勘違い!?

「せ、先生!俺の方こそすいませんっ!!俺、勘違いしちゃったみたいで・・・その・・・ごめんなさいっ!」

そうだよな、兄ちゃんみたいに勘違いされそうな言動の人っているわけだし・・・とか言ったら兄ちゃんにたこ殴りされそうだけど。

 素直に頭を下げて謝れば、先生も眉をハの時にしたままだったけど笑ってくれて。

「いいえ、私の方が悪いのですから・・・。でも、鈴木君に勘違いされたままにならずによかった」

「本当すいませんでした!」

「ふふ、鈴木君は本当にいい子ですね」

またさっきの優しそうな笑顔に戻った先生にほっと一息。

「全く、皆さんにも鈴木君を見習ってもらいたいものです」

 だけど続けられた言葉にドキリとしてしまう。

いやいや、でも他意はないはずなんだから気にしちゃダメ、ダメ。

「この私がSクラスを受け持つわけですから、気を引き締めて頑張るように。クラスメイトだからといって馴れ合うことなくお互いがライバルだと思って気を抜かないよう努めてください」

き、きっとこの台詞だって「先生も精一杯頑張るので、皆さんもお互いに刺激し合いながら頑張って下さいね」ってことだ!そうに違いない!

「私からは以上です。今日はこの後11時から寮で説明会があるので速やかに移動するように。明日は8時35分までに登校すること。・・・では、鈴木君また明日お会いしましょう」

 最後に先生は俺に笑顔を向けると、颯爽と教室から出て行ってしまった。

きっと優しい先生なんだろうけど・・・うーん。疑問が残るところだ。

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あきゅろす。
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