平凡と俺様
B
よっぽど分かりやすい顔してたみたい。
「ああ、失礼。挨拶がまだでしたね。1-S担任で数学担当の四ノ宮譲(しのみやゆずる)と申します」
以後お見知りおきを。と、ご丁寧にも自己紹介をしてくれた美丈夫さんもとい担任の四ノ宮先生・・・ってあ、そうか。普通に考えれば教壇に立ってるスーツ姿の大人=先生じゃん!
それより前に整った顔立ちに目がいっちゃったもんだから、全然思いつかなかった・・・。
「君のような優秀な生徒を受け持つことが出来て光栄です。これからの君の活躍、期待していますよ」
担任と聞いて姿勢を正す俺に先生はまた微笑みを返してくれて、俺も自然と笑顔を浮かべてしまう。
四ノ宮先生、すっごい優しそうだし。美丈夫さんだし。って顔は関係ないか。
それに今の言葉聞いた?“優秀な生徒”だって!褒められて?悪い気がする訳ない。少なくとも俺は。
豚もおだてりゃ木に上るってやつ。
「俺、先生のために頑張ります!」
すっかり調子に乗った俺は立ち上がり、声も高らかにそう宣言するとビシッと敬礼してみせる。
なんだかちょっと違う気もするけど、気分的にはこんな感じだ。
そんな俺の行動に先生はビックリしたように眼鏡の奥の蜜色の目をまんまるにして、でも次の瞬間にはそれを細めて笑顔を向けてくれる。
「私のためですか?・・・いいですね、素直で優秀な子は大好きですよ」
わ!しかも大好きって言われちゃった!
「へへっ」
なんて妙に照れていると、近付いてきた先生に頭を撫でられてしまった。
と、同時に後ろからエースの奇声。
「ぎ、ぎゃあああ!!!双龍くんっ!」
って俺?
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