平凡と俺様
D
「ね?」
「・・・っ!か、加藤」
「加藤何くん?」
眼鏡君もとい加藤君は何故か恥ずかしそうに名前を教えてくれると、でも名字だけだ。
「いや・・・それは」
「え?俺に名前呼ばれるの、嫌?」
なんかこう隠されると知りたくなるのが人間ってもので、この俺の“お願い”が通用する相手なら何回でも使うよ、俺は。
まあ、こういう相手には引き際も肝心だったりするんだけど・・・。
キラキラキラと、太一の笑顔には負けるけど目をキラキラさせて、首を傾げて・・・って自分で想像してイタくなってきたぞ。
俺の可愛い三つ子達じゃあるまいし、んなもん俺がしたって気持ち悪いだけー。
「え、英秀(エース)・・・」
って効いてるんですけど。
「えーす?ってどんな漢字?それともカタカナ?」
なんかもう、いい加減このまどろっこしいやり取りめんどくさくなってきたなー。
「え、英知の“英”に優秀の“秀”でエース・・・」
そんなこんなでやっと聞けた加藤君の名前、超凄いだけど!めっちゃ流行な感じじゃん!
いやぁ、気持ち悪い恰好して聞いたかいあったなー。
「えー!凄いカッコいい名前じゃん!俺、これからエースって呼ぶからよろしくな〜!!」
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