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平凡と俺様
C
 仕舞いにはまた床に額を擦り付けて頼み込む眼鏡君に折れる形で了承したんだけど。

「す、鈴木君!いや・・・双龍くんと呼んでもいいだろうか」

「あ、うん。別に・・・」

「ああっ!双龍くんはなんて優しいんだろう!こんな僕にまで名前呼びを許してくれるだなんて・・・っ!あんな失礼な発言をしたというのに、双龍君は心が太平洋のように広いんだね!」

何、何!?こーいう展開なの〜!?

さっき俺が太一にやってたみたいに両手で両手を握りしめられて、そ、そんな熱い視線で見上げられても困るんだけど、なぁ〜?

 眼鏡越しに見える円な瞳はキラキラと輝いていて、ああ・・・俺本格的にやっちゃったっぽい。

たま〜に、こう「叱って下さい!」ていうか「もっと責めてください!」みたいな人達に説教しちゃって、後で大変な目に遭うんだよね。

はぁああああ・・・。

ま、やってしまったのは仕方ないか、と。でもそういや俺眼鏡君の名前知らないや。

「ねーねー、そういえば眼鏡君の名前はなんていうの?友達になったんだからいつまでも眼鏡君って呼ぶのはアレだし・・・」

 未だ握られたままの手をやんわりと離して、「ね?」と首を傾げてみれば途端真っ赤に染まる眼鏡君の顔。

ああああああ!!!!!俺の馬鹿!この人、ついでにあっち側の人じゃんか〜!!!!

「ぼ、僕のことなんて“頭でっかちの眼鏡野郎“で十分だよ。そんな双龍くんに名前で呼んでもらうなんておこがましい・・・っ!」

面倒くさそうなのに引っかかったな、と心の中で泣いて、顔は・・・上手く笑えてるか微妙だ。

「でも、ほら俺が名前呼びたいんだよ。だから教えて」

まあ、多少引き攣ってたとしても俺の保身のために早く名前を言え〜!そんな呼び方したら兄ちゃんじゃないのにドSご主人様の称号を貰ってしまう〜!!!!

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