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平凡と俺様
新入生代表、鈴木双龍です!
 慌てて立ち上がれば、途端集まる視線にビックリする俺。

ってああ、これはあれでしょ。双龍=厳つい顔を想像するらしくって、結構病院とかで名前呼ばれたときにもガン見されるんだよねー。

いや、もうすいません。こんな人畜無害な顔してて。

 ヒソヒソと囁かれる声に申し訳なくなりつつ、壇上に向かえば付いてくる視線に居心地が悪くなる。

その中でもビジバシと痛い視線が・・・ってお前か!ってええええ!?

帝臣と兄ちゃん、仲良く端の方に並んで座ってますけど〜!?

 俺を見て可笑しそうに笑う帝臣と、頭を抱えた後「後で分かってるだろうな・・・」と鋭い視線を向けてくる兄ちゃん。

強い視線の正体は主に兄ちゃんだったらしく、口元はニコニコと微笑んでるのにその目、怖いよ〜!

 あまりの恐ろしさに、右手右足左手左足で歩いてしまう俺に帝臣は増々腹を抱え、それに比例して兄ちゃんの機嫌が悪くなる。

うわぁ・・・やっぱり痴話喧嘩真っ最中だよー、と隣同士に座っているというのに1回も目をあわせようとしない2人の視線から逃げるように壇上へと上がった俺は、そこではそこで新入生達から向けられる視線の多さにビビってしまった。

俺、実は緊張しぃなんだよね。

「・・・よ、ようやく花の季節になりました。我が校の象徴でもある桜も花を綻ばせ、僕たちの入学を祝ってくれているかのようです。・・・今、僕たちはこれからの三年間を前に、期待で胸をふくらませています。学生らしく勉学に励むとともに、学業だけでなく、心も身体もひとまわり大きくなって巣立っていきたいと思っています。この、歴史と伝統ある白桜学園の名に恥じぬよう、精一杯がんばっていきたいと思います。・・・新入生代表、鈴木双龍」

 とりあえず淀みなく・・・最初は多めに見くれないかな?言えた筈なんだけど・・・兄ちゃんの顔を見るのが怖い!

俺と同じ新入生や保護者席からは拍手が聞こえてるけど、問題は兄ちゃんだ。

90度腰を曲げて礼をした後、席に帰る途中で意を決して兄ちゃんの方を見れば・・・わー、かなりおざなりだけど拍手してくれる。

隣の帝臣も尊大な態度ながらも拍手してくれていて、ほっと一安心。

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※挨拶は某マナーサイト様より引用してさせて頂いております。

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