平凡と俺様
A
重要なことを思い出した俺は1人で心の中で叫んで、痴話喧嘩中かもだったのに帝臣には“ペットと飼い主”発言されちゃって、ぎゃー!
お、俺もしかして「馬に蹴られて死んでしまえ」ってやつしちゃった〜!?
拙いって、兄ちゃんにどう言い訳すれば・・・。
まさかあの2人がそういう関係なら、兄ちゃんにどんな嫌味と攻撃をされるか分かったもんじゃない!
突然ガタガタと震えだす俺を不振に思ったのか周りの視線も外されていって、でもそんなこと気にしている場合じゃないって。
俺は馬に蹴られるより兄ちゃんに虐げられる方が断然恐ろしいんだからな。
兄ちゃんのマジ切れはまだ見たことないけど、でも普段でも悪魔の様に恐ろしいんだから、大魔神になること間違いなしだ〜あああああ!!!
頭を抱え、呻きだす俺の隣では顔面蒼白茫然自失の佐藤君。
端から見ればもの凄く奇妙な光景だけど、そんなこと言ってられないくらい俺にとっちゃ大事件なんだよ!
本当、マジヤバいって・・・俺死ぬ・・・死ねるっていうか殺される・・・っ!!!!
「・・・龍君、壇上までお願いします」
そんな時、誰かに名前を呼ばれた気がしてはっと顔を上げれば、何だか静まり返った講堂内。
あれ?今、だれか“りゅうくん”って俺のこと呼ばなかった?
他にも色々呼ばれてるけど、結構“りゅうくん”って呼ぶ奴も多いんだよ〜?
「新入生代表鈴木双龍君、今すぐ壇上までお願いします」
って呑気なこと言ってる場合じゃなかった!
「は、はいぃぃっ!!」
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