平凡と俺様
B
まず名前が嫌いというところから始まり、俺様な性格はもちろん声も顔も嫌い。
中でも人を小馬鹿にしたあの物言いや、人を見下す様な目が嫌いらしい。
んまあ確かにそこは否定できないよなあ。
でも別に名前は帝臣の父さんか母さんが付けたのだろうし、よく似合っていると思うんだけど。
声だってしかりだ。
顔だって何がどういいって言われたら困るけどさ、あれは誰が見たって男前だろ。
他にも吸ってるタバコの銘柄やら、持ってる財布のブランド、終いにはつるんでる奴まで嫌いだと宣う…いや、おっしゃる俺のお兄様。
そこは帝臣自身の話じゃないじゃんと思うのだが、俺のツッコミは全て心の中でだ。
だって黙って聞いてる方が得策なのだ。
意見すればどうなるか…ううっ恐ろしい。
しかし聞けば聞くほどこの2人は反りが合わないのだと、そして面白いほど好みが真逆なことが分かった俺。
そして何より…性格そっくりじゃん!!
「…あの時アイツはこう言いやがった。“んな貧相な体で相手を満足させれるのか?ハンッ”…ハンッだと!?アイツは俺を鼻で笑いやがったんだ…この俺をだ、分かるか?」
あ。いつの間にか話、嫌いな箇所から言われた嫌な台詞?に変わってるー。
しかも台詞じゃなくて鼻で笑われたことに対してなのかよ!?
…兄ちゃんの怒る箇所が分かんないんだけど。
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