平凡と俺様
兄ちゃんと帝臣の関係
「・・・でさ、そのめっちゃ綺麗な庭で〜、・・・・帝臣って奴に・・・」
「・・・帝臣だと?」
そんな兄ちゃんの顔に安心した俺はベラベラとさっき起こったことを話し始めたんだけど・・・。
帝臣の名前を出た瞬間、キランっと兄ちゃんの眼鏡が光った気がする。
しかもその顔は段々と歪められていって・・・。
「に、兄ちゃん・・・?」
「お前、帝臣ってまさかあの中大路帝臣じゃないだろうな?ほら、怒らないから正直に言いなさい。ん?」
ギャー!お兄様笑ってらっしゃる〜!?
しかもものすっごい笑顔。
何も知らない人が見れば思わず感心してしまうほど綺麗な笑顔だろうけど、俺はそうじゃない!
この笑顔で色んな人(俺を含み)を地獄のどん底に突き落としてきたのを見てきたんだから〜っ!!!!!
ガタガタと震える俺に兄ちゃんは眼鏡の奥の目を細めて詰め寄ってくるけど、明らかその顔には「正直に言わねぇとしばくぞこの愚弟が!」って書いてるじゃないか!
あーはいはい、そんなに脅さなくったって言いますよ!俺は素直ないい子だからね。
というか是非言わせてくださいお兄様!
視線で脅してくる兄ちゃんに、この時やっと帝臣が「鈴木一虎には近付くな」と名前を耳にするのも嫌っていたことを思い出した俺は、この学校の特待生になった割りになんてバカなんだろう。
適当に誤魔化しておけばよかった・・・と思い、しかしこの兄ちゃんの眼鏡の前ではそれも一時凌ぎに過ぎない。
やはり正直に言うしかないだろうと俺は腹を括ったのだった。
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