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平凡と俺様
許していただかなくて結構です
 思わず瞬きも出来ずにガン見していると、笑みが更に深くなるのが分かる。

それが何となくさっきまでの不遜な態度は違っていてドキドキしてしまったのは内緒だ。

 目が細められて、あーその顔もやっぱ男前だ、なんて暢気に観察していると、突然ブッという音と主に唇に生ぬるい風がぶつかった。

んーさっきものこの音聞いたような?

っていやいや、俺ボケてる場合じゃないから!

この状況からしてこの目の前の中大路が噴出した声と息が俺に当たったんじゃん。

「お前、この俺様にうっとりするような笑顔で見つめられたら目を閉じるのが当たり前だろう、あぁ?」

 どうやら俺がガン見してたのが奴のツボに入っちゃったらしいんだけど、うーん。

男がいくら男前だからって同じ男に顔近づけて目ぇ閉じちゃったら色々とヤバくね?

まあそれが中大路くらい綺麗な顔した女の子だったら話は別だけどさ。

ついでにうっかりちょっとドキッとしちゃったけど、それはコイツの顔がきれい過ぎるせいだ!

 仕舞いにはまたさっきのように腹を抱えて笑い始めた中大路は、きっと笑いの沸点が物凄く低いに違いない。

多分箸が転げただけでも大爆笑なんだろうな、そう決め付けて俺はくるりと踵を返した。

もうこれで俺の用事は終わり。

「ちょ、待ちやがれ。どこいくつもりだ」

 ちゃんと煙草も拾ってくれたし、もう言うことはないから散策の続きをしようと思ったんだけど・・・。

何だ?この手は!

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あきゅろす。
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