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平凡と俺様
B
「俺に説教垂れる奴なんざ、久し振りに会ったぜ」

 そう言った中大路は奴がさっき捨てた煙草の吸い殻と箱を拾い上げると、吸い殻を箱に入れてポケットへと仕舞い込む。

おお!何だ?コイツ、俺が言ってたことちゃんと聞いてたんだな!

偉い!偉い!

と、思わず弟達にやってやるように少し高い位置にある中大路の頭を笑顔で撫でてやると、ビックリしたような顔で見られてしまった。

「あ、つい・・・」

 流石に高校生相手にやることじゃなかったよな。うう・・・習慣って怖い。

これからは気をつけようと、慌てて手を引っ込めると、それを誤摩化すように声を上げた。

「よかった!中大路が話の通じる奴で。もうこれからポイ捨てなんてするなよ?あと、まあこれは俺がつべこべ言う問題じゃないと思うけど。煙草なんて体に悪いんだからさ、とりあえずハタチになるまで我慢したら?自分で自分の寿命縮めてるだけなんだし、まあ中大路は身長の心配なんてしないでいいかもしんないけど?折角男前なんだから歯にヤニがついて汚くなったりしたら勿体無いじゃん」

まあ結局出たのはまたお節介だったけどな。

 へらっと少しバツの悪い顔で中大路を見上げると、またさっきの様に顎を掴まれてしまう。

何!?やっぱ俺に指図すんなって?

しょうがないだろ!これはもう特に特徴のない俺の唯一の個性と思ってくれ・・・。

 でも、中大路の俺の顎を掴む力はさっきとは大違いで、どちらかといえば添えているといった方がいいのかもしれない。

別に怒ったわけじゃないのか?とちろりと目だけで見上げれば、そこには中大路の満面の笑みが広がっていた。

うわ・・・男前の笑顔ってやっぱ迫力あるなあ。

「何、お前俺のこと心配してんの?」

「心配っていうか・・・ただこうやって初めて会ったんだしさ、知っちゃったからには放っておけないというかなんという・・・」

「そっか・・・嬉しいな」

って何でそんなに顔近付けてきてんの!?

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