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平凡と俺様
中大路帝臣。それが俺の名前だ
「・・・お前、まさか天下の中大路(なかおおじ)グループ、帝臣(ただおみ)様の名前を知らないわけねーよな?」

 ああん?とでことでこが引っ付くくらい至近距離でこの男前・・・えと、てんかのなかおうじグループただおみ様?は自己紹介してくれたらしいんだけど・・・。

俺知らないよ?

なか、おうじグループっていうだけに“なか”国の王子様のグループとか?

まっさかー。

うーんでも、この目の前の男前を王子って紹介されたら納得しちゃうかも。

 でも俺、あなたに顎を固定されてるせいで頭を縦にも横にも振れないので、知ってるとも知ってないとも言えないんですけど。

だーかーら!もういい加減にこの手離ってんだろー!?!?

 相手の腕を掴んで引き剥がそうとして、でもその前に俺の気迫が伝わったのかやっと顎を解放された。

あー痛かった、痛かった。初めから離すんなら早く離してくれればいいものの・・・。

まあ、でも代わりに胸ぐら掴まれてるんだけどさ。

「で?そんな俺様に暴言吐いたお前はどーなるか分かってんのか?」

 そんな奴は俺のこと知ってるのか?って聞いた割りに俺の返事は無視らしい。

せっかく喋れるようになったから「知んねーよ!」って言ってやろうと思ったのに。

しかも知ってるの前提で進めてるしさ、この横柄な態度。やっぱりどっか有名な王子だったりするの?

でも、そんなこと一庶民の俺が知ってるわけねーし。

 いくら王子だからって人の話を聞かないのはダメだろうと、むっとした俺は未だ至近距離にある顔を睨みつけてやった。

「どこの国の王子か知らないけどな!ポイ捨てなんてしていいことあるわけないだろ?そりゃアンタのポケットの中はすっきりするかもしれないけど、花だって草だって生きてるんだぞ!植物が出してくれる酸素を吸って生きてるならもうポイ捨てなんてするんじゃないの。分かった?あと、人の話を聞いてから話を進めること!」

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