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平凡と俺様
A
 つい目の前でモラルに反することをされると口を出さずにはいられないというか、説教をおっ始めてしまうというか。

歳の離れた弟達の面倒をよく見ているせいだろうか、ついつい同じ調子でやってしまって困る。

しかも俺、「何かあるんだった言ってみな?」ってぎゃー!恥ずかしーいー!

 内心恥ずかしさでいっぱいの俺だったけど・・・言っちゃったものは仕方ないよな。

これは俺の独りよがりかもしれないけど、でも俺が今注意したことでコイツが今後ポイ捨てを止めることに繋がるなら、この俺の行いは間違ってはいない筈。

 唖然とした顔のまま俺を見下ろしてくる(悔しいことに男前は背もでかいらしい!)奴に、視線を逸らしたら負けとばかりに顎を少し持ち上げたまま顔を固定する。

うう・・・男前と対峙するのって、顔が整ってるせいか無駄に緊張する。

 それは多分1分に満たない間のことだったろうけど、暫くして我に返ったらしい相手が先に視線を逸らしてくれて助かった。

はあ、これで俺もやっと視線が逸らせるよ。

と胸をなで下ろしたのも束の間、俺が視線を元の位置に戻す前にその顎を掴まれて顔が動かせなくなってしまう。

い、痛いだろ!!

んなデカイ手で俺のひ弱な顎にひびが入ったらどうしてくれる〜!?

「お前・・・俺が誰だか知ってんな口聞いてんのか?」

 どうやらこの男前は俺のさっきの発言が気に食わなかったらしく、ああ・・・せっかくこの人がまた同じことを繰り返さないようにって思ってたのに。

これはアレか、俺に指図してんじゃねーよ。っていう?

コイツが俺の言葉を心意に捕らえてくれなかったことは残念だったけど、でもとりあえず俺の顎離して欲しいんだけど。

顎を掴まれているせいで碌に文句も言えやしない。

 とりあえず「あー!あー!」と声を上げるが、この目の前の奴は鋭い目付きで俺のことを睨みつけている。

何だよ!何だよ!俺は正論を言っただけなのに、何でこんなガン飛ばされなきゃなんないんだよ!?

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