平凡と俺様
遭遇!Fクラスの頭
「ていうか結局英秀にも手伝ってもらっちゃってごめんな」
「そんな!僕は双龍くんのためなら何だって出来る自信があるよ!」
意外にも?いや、普通に!機械の操作が得意な俺はすんなり印刷の作業を終え、英秀に半分持ってもらいながら生徒会室へ戻る渡り廊下を歩いているところだ。
ちなみに職員室、印刷室があるのは一般棟・・・各学年A〜F組の教室がある棟で、生徒会室があるのはS組の教室のある特別棟。
その隣接する2つの校舎は渡り廊下で繋がれてて、そこからは右手側に中庭を挟んで学生寮が、左手側にはグラウンドが見え・・・あれ?
「ねえねえ!あれ、太一じゃない?」
「う〜ん。僕には白い固まりにしか見えないけれども・・・」
「絶対太一だよ!お〜い!太一〜!」
グラウンドには体育委員らしき数十人くらいの生徒がパラパラと見えて、整備をしているようだ。
その中でも頭一個分背の高いあの茶髪のイケメンは太一に間違いない!なんたって俺、視力2.0だし。
ブンブン、とプリントを持ってない方の手を振れば・・・ああ。やっぱり。
向こうも気付いたようで、キラキラした何か(オーラか!?)を撒き散らせながらこっちに手を振り返してくれる。
いやあ、太一さん。遠目からでも分かるイケメンっぷり!素敵です!
ひとしきり手を振り終えて、半歩後ろの英秀を見れば面白いくらいに悄気ていた。
あらあら、キノコが生えそう。
別に英秀を放ってたわけじゃないんだけどなあ。
「後で3人で夕飯食おうな〜」
にしても余りにも悲痛な顔をしてるもんだから、慰めにそんな台詞を吐いた時だった。
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