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私立月見里学園高等部
入学式ではお静かに
 席は自由らしく、伊近と俺、黒崎と智希という並びでAクラスの列についた。

ちなみに食堂での一件を教訓に、今回は公平にグッパで決めたものだ。

小学生かと思うが、彼らには大事らしい。

伊近と黒崎はお互いに隣になりたくないだけかと思えばそれだけじゃないらしく、本当に手の掛かる奴らだ。

 そんなこんなで大人しく席に座ったのはいいが、俺達双子はまたやらかしてしまったらしい。

同じタイミングで足を組み返したり、頬を掻いたり、髪の毛を弄ってみたり。

それを後ろから椅子越しに抱きついてきた智希に指摘されたのだが、意識してやっているわけではないので、毎回笑われると困ってしまうのだが。

 なんとなく伊近の機嫌も直ってきて、もうそろそろ式が始まるんじゃないかというとき、ふと後ろから肩を掴まれた。

また智希か・・・?

 いい加減大人しくしろと無視を決め込むが、そのまま無理矢理後ろへと向かされてしまう。

もう、だからやめろというに。

「智希、なんだよいい加減・・・に?」

しかし肩を掴んでいたのは智希ではなかったらしい。

当の本人は爆睡していて、夢の中の住人だった。

 えーっと・・・で、この人は誰なんだ?

正直この3人と相澤先輩以外、学園の生徒とは全くといっていいほど面識がないので、困ってしまう。

突然肩を掴まれても、俺はこの人のことを知らないのだが。

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※「グッパ」はグーとパーでチーム分けするやつのことです。
地域ごとに名前が違ったりするようなので、註を入れておきました。

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あきゅろす。
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