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私立月見里学園高等部
黄土色の悲鳴
「キャー!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 そして更にはこの悲鳴だ。

訳が分からんと、その耳に付く甲高い声に顔を顰めていると、後ろから智希に耳を塞がれてしまう。

お、でも少しは悲鳴がましだ。

 それにしても忘れていたが、ここは男子校だったんじゃないだろうか?

だというのにこの悲鳴・・・。

黄色いというよりはどっちかといえば黄土色って感じだが、俺に言わせればこんな声を出せることがまず凄い。

 変に感心していると、3人は俺を囲んだまま歩き出し、その黄土色の声の中へと入っていくようだ。

というかそこが講堂の入り口なので、嫌でも通らないといけないのだが。

しかし、そこへ近付く度耳を塞がれていても聞こえる悲鳴は俺にとっては物凄く不思議だった。

「伊近様〜!こっち向いて〜!!」

「キャー!永久様今日も一段と素敵〜!!!」

「智くんもカッコいい〜!!!」

 しかもそれに俺を取り囲む3人の名前が含まれれば尚更だ。

このはしゃぎ様は母さんがファンのアイドルがテレビに映った時に似ていて、いや、でもそれと同じだとしたら相手はこの3人だぞ?

見た目はそりゃまあイイと思うが、伊近は甘えただし、黒崎は口が悪いし、智希は背中にへばりついて重いだけだ。

しかもその前にコイツらも騒いでいる奴らも男じゃねぇか!

まあ、俺だって好きな俳優の1人や2人いるが、たかが一般人にこの騒ぎ方は少し異常だ。

 ああ!もしかして3人が気合を入れていた理由はこれか・・・。

なんかよく分からんが、男子校ってのも大変なんだな。

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あきゅろす。
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