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私立月見里学園高等部

 学校の帰り道にあるスーパーに夕飯の買い物に行って、ついその近くをうろついていた真っ白な猫と遊んでいたら、もう結構な時間になってしまっていた。

しかも、その猫ときたら…。

帰路を急ぐ俺…山梨新名(ヤマナシ ニイナ)の足にじゃれついて離れやしない。

くそう………可愛いじゃないか。この野郎。

って!そうじゃない。

そうじゃなくて、俺ん家はマンションでペットが飼えないからそんな懐かれても連れて帰れねぇんだよ。

だから、俺の足の間をすりすりと体を擦りつけながら歩くのはやめてくれっ!

 普段猫なんてあんまり懐いてくれないのに、こんなにサービスしてくれるお前には悪いが………。

悪いが………。

悪い、が………。

ううっ、くそう!そんな目で見つめられたら、俺が悪者みたいじゃないかっ!

 俺はその純粋な目で見上げてくる猫の可愛さに堪らずそいつを抱き上げると、その痩せた体を制服の上から着込んだコートの中に抱き込んでやった。

すると猫は満足そうにひと鳴きすると、体を俺の胸に擦り寄せて来る。

ううっ!

可愛い!可愛すぎるぞと道端で悶えている俺は周りから見れば正直気持ち悪いに違いない。

取りあえず早く家に帰ろうと足を早めたところで、すぐに肩に衝撃が走って、俺は正直思いっきり顔を歪めそうになった。

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