私立月見里学園高等部
A
黒崎が俺から離れた後も、この2人の睨み合いは続いて、本当に仲が悪いのだと認識する。
いや、喧嘩するほど仲が良いとも言うんだが。
「おい、黒崎。さっきのテメェのオンナ発言は取り消せ!新名がそんな虫けらみたいなお前のオンナ呼ばわりされるなんて、・・・虫唾が走るっ!」
殴り合いこそ始めないが、一触即発というムードは健在で、相変わらず言葉での応酬は止まることを知らない。
「アァ?お前こそコイツの何だかしらねえけど、先に手ぇ出したのは俺だぜ?なあ、新名」
って、俺に話題を振らないでくれ!
自分が話題の中心にいるのだということは、話の流れを聞いていれば分かったが、どうしてそんなことになっているのかが全く理解できない。
俺のオンナだとか、俺のモノだとか訳が分からん。
「お前から誘ってきたんじゃねえか、な?さっきベッドでイイコトした仲だろ?」
「何口から出任せ言ってんだ、このクソ黒崎が!」
「何だ、このクソクソ月見里!口から出任せだっつーなら新名に聞いてみりゃ良いだろ?・・・苛められると感じちまうんだよな」
「って、さり気なくさっきから新名、新名って気安く呼び捨てにするなよ!クソクソクソ黒崎!まさか新名がお前なんかに簡単に足開くわけねぇだろうが!!!」
って・・・。
「ああ!もう、お前ら煩ぇんだよ!一体何のこと言ってんのか俺にも分かる様に話しやがれ!!!!」
今まで口数の少なかった俺が怒声を上げたことに驚いたのか、三者三様に唖然とした顔を向けられてしまう。
俺だって怒るときは怒るのだ。
そりゃ1年に1回怒るか怒らないかのレベルだったとしても、だ。
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