私立月見里学園高等部
A ※微
訳の分からない俺を黒崎(多分)は部屋に招き入れると、そのままリビングらしき部屋を突っ切り、更に奥にある右側のドアの中へと半ば押し込むように入れられる。
それは黒崎の寝室のようで、黒を貴重にしたシックな内装だった。
中央にはこれまたデカすぎるんじゃないかというベッドが置かれており、シーツはやはり黒だ。
きょろきょろと部屋の観察をしていると、突然肩を押され、その真っ黒なベッドに背中から倒されてしまう。
な、何だ!?
更にそんな状況の把握できていない俺の上に黒崎が乗り上がってきて、突然の展開に目を白黒させることしか出来ない。
出会い頭に即効マウントポジションって、やっぱり不良なのか!?
「意外とこういうのの経験少ないとか?」
喧嘩を売られたことはもう両手両足じゃ足りないほどだったが、こんな風に出会い頭にベッドに押し倒されたのは初めてだ!
驚きのあまりコクコクと頷くしか出来ない俺に、黒崎は何故かニイっと口角を上げると、何だか落ち着かない視線を向けてくる。
その笑顔の黒崎が段々と近付いてきて、耳元で吹きかけられる吐息に、自然と肌が粟立つのが分かった。
な、なんか喧嘩と違う・・・?
本能的に危険を察知した俺は、シャツの裾を掻い潜ってくる手にぎょっとしながら、両手で黒崎の体を押しやる。
「何、焦らしてんの?俺、焦らすのは好きだけど、焦らされんの嫌いなんだよね」
いや、俺はどっちも嫌いだ!
というかまず焦らす焦らさないっていう状況なのか、コレ。
しかしそんなことを考えている間に俺の手はすぐに黒崎の両手に拘束されてしまって、意外と力が強い。
両手が使えなくなってしまったが、それは黒崎も同じことで、シャツの中に手を突っ込まれることは免れたが、代わりに舌で耳朶を舐められてしまった。
「…っ!」
その気持ち悪さに鳥肌を立てると、黒崎はなおもそこに舌を這わせてくる。
うねうねと動くそれにナメクジを連想した俺は、鳥肌どころか身震いまでしてしまうが、そこに歯を立てられた瞬間、それは全く違う感覚に変わってしまった。
「…んっ」
「耳、噛まれると感じんの?へー苛められんの好きなんだ」
「ぅ…あっ!」
それに黒崎はいち早く気付くと、何度も何度もそこを甘噛みしてくる。
な、なんかこの感覚はまずい…っ!
[*前へ][次へ#]
[戻る]
無料HPエムペ!