私立月見里学園高等部
もしもシリーズ:黒崎×新名編[1周年]
Q.もしも黒崎と新名が付き合ったら?
早朝のとある月見里学園の寮の一室。
黒で統一された、ベッドに掛かるシーツやカバーまで真っ黒な部屋の中、例にも漏れず真っ黒なカーテンの隙間から漏れる朝日に輝くのは綺麗に染められた金色の髪。
いつもはワックスでふんわり盛られているそれも、今は見る影もない。寝癖でぐちゃぐちゃ、まるで鳥の巣だ。
「…黒崎起きろ、朝だ」
そんな彼を起こす声が1つ。
これは入学当初からの見慣れた光景で、
「ん゛〜ぁ、と5分…っ」
寝汚い同室者を起こすのが彼、新名の日課だ。
「バカ、あと5分が何回目だ。…さっさと起きろ!黒崎!」
しかもこれが手の掛かること。
一度で起きない相手を朝食を作る傍ら5分起きに起こして、さながらまるで母親にでもなった気分だ。
バシバシと丸まっている背中をはたいてやれば、もぞもぞと動く黒い塊。
むくりと布団を肩から被ったまま起き上がり、しょぼしょぼと眠たそうに目をしばたかせ、起きるかと思えば。
「やだ。名前で呼んでくれなきゃ起きねぇ…」
半眼で、掠れた声でこの台詞。
しかもすぐに布団を頭から被ってしまった黒崎に、新名は呆れるばかりだ。
たかが名前くらいで、と思いながらも、かたくなな黒崎はこのままでは本当に起きそうにない。
別に放っておいてもいいのだが、ここが新名の甘いところ。
「…コホン。えー…永久、起きろ。メシ冷めちま…おぁ!?」
滅多に呼ばない下の名前に妙に緊張しながらも希望通り呼んでやれば、途端絡み付いてきたのは素肌の長い腕。
「黒崎!?お前、結局まだ寝ぼけてんのか!?」
寝ぼけながら抱き付かれるのは毎朝のことで、しかしいつもより強い力に新名はベッドに乗り上げてしまう。
しかし黒崎に馬乗りになる形で、至近距離で見た顔は寝ぼけているとは形容しがたいものだった。
「…っ!め、目開いてんじゃねぇか。だったらさっさと起きやがれ」
見つめる黒崎は寝起きのせいか色気をはらんだ目で、新名は何度見てもドキマギしてしまう。
「…ん、でも違うところも…起き、ちまった。…新名、責任取って…くれるよな?」
しかしそんな吐息の掛かる距離で無駄に色っぽく囁かれるのは、エロ親父顔負けのこんな台詞。
「…は?違うとこって…」
だというのにぽかんと一瞬分からないような顔をした新名は、鈍いというか疎いというか…。
「バーカ。…お前のケツの下にあるのはなんだよ」
腰を揺らされ、漸く気付くのはいかがなものか。
「な…ッ!?バ、バカはてめぇの方だろ!?朝から盛ってんじゃねぇ!!」
「あ゛?朝にはミルクがかかせねぇだろうが」
「…っ!お前なんか一生寝てろ!!!変態っ!」
「その変態が好きなのはどこのどいつだよ」
「〜〜っ!!!…バカ、ヤロ…」
そんな2人は今日も今日とて朝のHRに間に合わないのでした。
A.毎日エロエロフルスロットル!
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