私立月見里学園高等部
もしもシリーズ:空×新名編[1周年]
Q.もしも空と新名が付き合ったら?
「空、あのさ・・・」
「ん。なぁに?新名くんっ」
この度晴れて恋人同士になった陸川空と月見里新名。
嬉し恥ずかし蜜月の真っ最中です。
「手・・・」
「ん〜?聞こえなぁい」
しかし、だ。
人前で、しかも所構わず四六時中手を繋いでくるのはいかがなものか。と新名は思うわけで。
「離せ、よっ・・・」
「やぁあんっ!何!?新名くんったら照れてるの!?可愛い〜っ」
「バ・・・!何言って・・・っ!ああ、もう・・・聞いてねぇ」
指と指とを絡めてくる・・・所謂恋人繋ぎをしてくる意外にも大きな手を振り払おうとして、でもそれはテンションの高い空自身によって遮られた。
なんていうかやる気を削がれたという方が正しいだろうか。
「大丈夫。周りの目何て気にさせないから・・・ねえ?皆。ちゃんと聞こえたら・・・やることは分かってるよね?」
溜め息を吐く新名くんもカッコいい〜!とか抜かしている空はきゃぴきゃぴと女子高生の様に騒いで、でも。
最後に周りのクラスメイト達に向けた声はその可愛らしい顔から発せられたとは信じがたい、地を這うような低い声。
「は、はひぃいいっ!」
「やっだぁ。そんなに怯えないでよ。誰も取って食おうと何て思ってないのに〜」
悲鳴じみた返事を返して明後日の方向を向くクラスメイトに続けた明るい声さえ、彼らの恐怖を煽るものでしかなく。
「バカヤロウ・・・お前、授業中まで手繋いでたらノート取れねぇだろ」
しかしそんな雰囲気などもろともせず空の額を、空いた左手で突いた強者がいた。
言わずもがな、それは新名しかいないだろう。
そう、今は授業中。午後一のとっても眠たくなる世界史の時間。
「う〜んっ!だって!僕は授業中だって新名くんと繋がってたいんだもん・・・っ」
「バカ。んなことしなくても・・・分かってんだろ?」
「きゃあああ!もうっ!今すぐ新名くんをこのまま押し倒して、勢いのままそのまま繋がりたいっ!」
「ってオイ!押すな!痛い、痛ぇって!・・・空!俺を窓から落とす気か!」
これならまだ、寝てる生徒の方が可愛いかもしれないと思う世界史教師だった。
A.今日もまた、陸川くんと月見里(弟)くんが授業をさせてくれませんでした。by世界史教師
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