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私立月見里学園高等部
B
「今までだって新名、周りに結構騒がれてたって分かってる?それを抑えてたのが伊近だよ」

「伊近・・・が?」

「そう。腐っても理事長の息子、月見里グループの跡取りだろ?この学校で実質1番権力があるのはアイツだから・・・」

 智希がいうには学校の権力者、人気者達(伊近達を含めたうちのクラスの奴や、生徒会の奴らのことだ)とぽっと出の俺がつるんでることを良く思わない奴らに重圧を掛けていたらしい。

それと同時に俺自身も不可抗力ながら人気が出てしまって、だというのに昨日まで下駄箱やなんかが無事だったのも伊近の力。

昨日俺が親衛隊を公認してしまったのは予想外だったらしいけど、昨日あちこちを駆け回って鎮圧して回っていたのも伊近だと言うことを教えられた。

 なんだよ、そんなの俺知らねぇって。

ただ、伊近は「俺の傍にいれば大丈夫」って言ってただけじゃねぇか。

「今、こんなこというのは卑怯だと思うけど。新名が極々平和にこの学校で生活出来てたのは伊近のお陰ってこと」

「何で・・・」

「そりゃ・・・ってそれは新名。自分で考えなよー?」

 頭を抱える俺とは逆に、智希は話は終わったとばかりに頭を擦り付けて戯れてくる。

まあ、それが俺が考えてることの答えでもあるんだろうが・・・伊近が・・・。

「に、い、な、く〜〜〜〜んっ!!!」

「う、ぐお!?」

「おっはよ〜!今日も可愛い空くんの愛の抱擁気に入ってくれた?」

って俺には考える暇さえないっていうのか?

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あきゅろす。
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