私立月見里学園高等部
B
―――バサバサバサバサバサバサァッッ
って今の何の音だ?
「あちゃー」
「お前、止めるの遅ぇ」
2人の方を見れば智希は焦った声の割に俺の2つ下の靴箱に手を掛けてるし、黒崎といえばぺちゃんこな鞄の中から上履きを出したところだ。
さっきの音は何だったんだろう?と不思議に思いつつ俺も上履きを取り出そうとしたところで、その中が何かでぎゅうぎゅう詰めになっていることに気付く。
「何だ・・・?」
「ハイ、これ」
首を傾げたところでもう靴を履き替えたらしい智希から何やら見覚えのある紙袋を手渡され・・・はっ!
「だから捨てろって言ってんだろ?」
「はぁ・・・もう、昨日のネタまた掘り返すのかよー?」
まさか!と、慌てて足下を見ればあの音の正体。
散らばった手紙・・・もといそれはラブレターだった。
昨日智希に言われるがまま手紙を確認したところ、全てがこう、なんだ。
好きです、付き合って下さい、だ、抱いて下さい・・・抱かせろ・・・等々。と、とりあえず残念なことに全部が全部智希の言う通りラブレターだったのだ。
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