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私立月見里学園高等部
B
「んだよ、新名。それ、親衛隊の奴らからだぜ?ったく、堀田もんな甘ぇこと言ってるから漬け込まれんだよ」

 俺達2人から避難の目を浴びたというのに黒崎は少し眉を顰めただけだ。

「だ、だってさぁ・・・。なぁ、新名!流石に読まないのは酷いよな〜!」

逆に正論を言った筈の智希が弱気に俺に抱きついてくる始末。

「って、おま、どさくさに紛れて新名に抱きついてんじゃねーよ!」

「俺だって全部に答えてる訳じゃないって。やばそうな奴はそれ相当の対処してるし。そのためにはまず手紙全部に目を通してんの。お分かり?永久くん」

なんだか久し振りな気のするその重みを支えつつ、意外と色々考えてるらしい智希の意見にこっそりと感心してしまった。

「で、それさっきも黒崎が言った通り新名の親衛隊からの手紙なんだけど・・・。あー他にもプレゼントとかもあったかもしんないなぁ」

 俺宛だというのにガサゴソと紙袋を探る智希に「お前、それも結構非常識だよな?」と心の中で突っ込むが、持ってきてくれたのも智希なので心に留めておくだけにする。

「昨日、光からの“親衛隊講座”途中になっちゃったけど、親衛隊付くとさそれまであんまり興味なかった奴とかも便乗して騒いだりするからー、当分は手紙・・・つーかラブレターとプレゼント攻撃が激しいだろうけど・・・頑張って!」

「お、おう・・・?」

「うん。まあ詳しくは追々、な。まだ新名も疲れてるだろうし今日はここまで!」

暫くは俺達がサポートするし。

と、ころころ話の変わる智希にとりあえず頷きつつ、紙袋一杯の手紙に小さく溜め息を吐いた。

 結局この大量な手紙の原因は俺・・・なんだよなぁ。

ラブレターってんなもん書いたこともなけりゃ貰ったこともねぇからどうしたらいいか・・・って。

「ら、ラブレター!?」

「わっ!もう、新名いきなり大声出すなよなぁ。何、今更驚いてるんだよ。昨日光が言ってただろ?」

いや、分かったつもりだったんだが、こう実感がなかったというか・・・そうか、ラブレターなのか・・・。

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