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私立月見里学園高等部
A
「わっ!!新名!ゴメンッ!煩かったよな!?」

 はぁあああっと深い溜息を吐く俺に、智希はどうやら俺が機嫌が悪いと勘違いしたらしい。

まあ確かに寝起きで半目の俺に見上げられながら溜息吐かれちゃあ仕方ねぇか。

それにある意味機嫌が悪いっちゃ悪い。はっきりしない自分の感情に苛立ってる。

「テメェの声は煩ぇんだよ、堀田。・・・新名もう少し寝てろ、な?」

 だけど俺がそんなことを考えてるなんて黒崎は知らないはずだ。

なのにポン、と宥める様に頭に手を置かれ、なんか落ち着いてしまう。

黒崎はただ自分のことを棚に上げて、煩かった原因を全部智希の所為にしただけだっていうのに。

「・・・ありがとな」

 小さくそう呟けば黒崎は途端調子に乗ったように智希を責めだして、ああもう。

でもその騒がしさが心地よくて、救われた。

多分またこんな風に4人で騒げるように、きっとなる。そう思える。

「やっぱお前出てけ。邪魔だ邪魔」

「は!?んだよお前、ちょっとくらい新名に感謝されたからって・・・!」

しかし、やはり煩いものは煩い。

「お前ら、うるせー」

「「・・・っ」」

 今度は2人に対して溜息を吐けば、さっきと同じく途端に止む声に呆れてしまった。

なんだ、お前らは喋るのに俺のスイッチがいるのか?よく分かんねー奴らだな、オイ。

「・・・あとさっきのは黒崎だけじゃなく、智希もだ」

でもとりあえず2人は昨日のことも含め、本当に感謝してるからな。

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