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私立月見里学園高等部
世話焼き女房
―――ガチャリ

 静かにドアを開ける音に、ぼーっとしていた俺はビクリと体を強張らせる。

誰だろう・・・伊近だったらどんな顔を合わせていいのか分からない。

「・・・あ゛、もう起きてんのかよ」

しかしドアから覗かせた顔は眠そうな目をした黒崎で、俺はこっそりと息を吐いた。

 Tシャツにジャージのズボンといういつものお休みスタイルの黒崎に、俺はちゃんと1人で起きれたのかななんて暢気なことを考えてしまう。

それほどに黒崎の寝汚さは最悪で、起こすのにも相当根気がいるのだ。

しかし今だけはコイツが同室者でよかったと、欠伸をしながらTシャツの中に手を突っ込んで腹を掻いている黒崎をベッドから見上げた。

さて、俺も起きねーと。

 ベッドサイドの時計を見れば7時という丁度いい時間帯で、しかし俺は何時間寝ていたのかと驚愕してしまう時間だ。

寝すぎのせいか少し頭はぼーっとしているが、顔を洗って朝ごはんでも食べれば問題ない。

うん、そうだ朝ごはん作ってやんねぇと。

「新名、ちょ、何起きようとしてんだ!?」

 先にベッドから降りたニイチに続くように俺も降りようすれば、その腕を黒崎に止められてしまう。

「いや・・・メシ食うだろ?」

「お前なあ…!!」

しかも溜め息付きだ。

全く、俺の朝飯じゃねぇと食わねぇとか言ってたのはどこのどいつだ?

「とにかく、お前は今日1日ゆっくりしてること。・・・いいな?しかも学校に行こうなんて言うんじゃねーぞ!今日は大人しく寝とけ」

って何だ、心配してくれてんのか?

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